一生我が家で、安心して、幸せに、楽しく、生活していかれる家
建築を長く続けて来た私にとって、この「テーマ」がひどく気になるようになってきました。
果たして、私は、この「テーマ」に叶う家を作って来ただろうか?と自問しながら仕事をしています。
家自体が、50年も60年も想定していなかったというような、災害が来ても、それに耐えられるだろうか?
これから、阪神や東北を襲った地震よりも、大きな地震が来ないとも限らない、そんな時にも作ってきた家は、崩れずに立っているだろうか?
夏の暑さは、私達が子供の時よりも、確実に暑くなっています。窓を開けて寝れば過ごせる日の方が少なくなっています。冷暖房の機器に頼らなくても過ごせる家は、出来ないものだろうか?
病気になって、障害を負っても、高齢になって自分のことが自分で出来なくなった時でも、施設に入らなくても、我が家で生活していかれるだろうか?
家は3回建てなければ、満足する家はできない。こんな話があります。一生の内では、それほど生活の仕方が変わるということです。
でも、その度に建て替える訳にもいきません、それに付いていけるような家が欲しいと思います。
家にも流行があります。新しい感覚の家、古臭い家。その感覚の違いは、どこから来るだろうか?
いつまでも新鮮なデザインでありたい、という気持ちを持ってやっています。
いつの時代でも、家を建てるということは大変なことです。
最近では、35年の住宅ローンができています。このことで、多くの若い人たちが家を建てることが出来ています。
しかし、このローンが完済するまで家がもつでしょうか?その時、建て替えとか、大きなリフォームをしなくてはいけない、なんてことにならないか?
そのことが大変気になります。
私の経験では、昔ながらの工法、考え方で、現在の進んだ工法を取り入れて作れば、
100年はもつと信じています。
こんな思いで、やっと完成したのが「伝次郎の家」です。